アメリカに食品を輸出したい日本の企業担当者様、FDAの複雑な食品ラベル規制に頭を悩ませていませんか?「栄養成分表示のフォーマットがわからない」「どんな表記がNGなのか事前に知りたい」「ラベルミスでせっかくの商品が差し止められたら…」そんな不安は尽きないものです。実際、FDAのラベル不備は輸入差し止めの主要因の一つ。この記事では、FSVP認定資格を持ち、数多くの日本食品の米国輸出をFDA規制面でサポートしてきた専門家の視点で、FDA食品ラベルの必須事項と絶対に避けるべきNG表記を徹底解説します。輸出前のラベルチェックに必ず役立つ具体例と実践手順をお伝えしますので、リスクを最小限に抑えた成功する輸出を実現しましょう。
目次
- 米国輸出におけるFDA食品ラベル規制の基本と重要性
- FDA食品ラベルの必須表示項目とNG表記の具体例一覧
- 輸出成功の鍵!FDAラベル対応の実践手順とチェックリスト
- まとめ:FDAラベル対応で安全な米国輸出を実現しよう
米国輸出におけるFDA食品ラベル規制の基本と重要性
アメリカで食品を販売するには、連邦食品医薬品化粧品法(FD&C法)および公正包装表示法(FPLA)に基づくFDA食品ラベル規制への完全準拠が絶対条件です。この規制を理解せずに輸出を進めると、港での差し止めや商品廃棄、莫大なコスト損失につながる重大リスクがあります。
FDAが食品ラベルを厳格に規制する理由とは
FDA(米国食品医薬品局)が食品ラベル規制を厳しく運用する背景には、主に以下の目的があります。
- 消費者の健康保護:アレルゲン表示や栄養情報により、消費者が安全に食品を選択できるようにする。
- 公正な取引の確保:虚偽や誤解を招く表示を防止し、企業間の公平な競争を促す。
- 情報の透明性:原材料、原産国、内容量など、購入判断に必要な基本情報を提供する。
日本のラベルとFDAラベル規制の決定的な違い
日本のJAS規格に慣れていると、FDA規制では特に以下の点で大きな違いに注意が必要です。
項目 | 日本(JAS等) | 米国(FDA) | 注意点 |
---|---|---|---|
栄養成分表示 | 任意※一部義務 | ほぼ全ての食品で義務化 | 表示フォーマットが厳格 |
アレルゲン表示 | 推奨 | 主要9品目は必須かつ強調表示 | コンタミネーション警告も必要場合あり |
内容量表記 | g/kg/ml等 | 米国慣用単位(oz/lb等)併記必須 | ネット量の表示位置・サイズも規定あり |
原材料表示 | 添加物含む全て | 添加物含む全て+一般的な名称必須 | 「調味料」等の曖昧表示はNG |
FDA食品ラベルの必須表示項目とNG表記の具体例一覧
米国向け食品ラベルには、以下の必須項目が全て含まれていなければなりません。各項目には細かい規定があり、NG表記に該当すると即座にコンプライアンス違反とみなされます。
絶対に外せない!FDAラベルの5大必須項目
- 表示ラベルそのもの(Principal Display Panel – PDP):消費者が最初に見る面。商品名、内容量を明記。
- 情報パネル(Information Panel):PDPの右隣の面。原材料、アレルゲン、栄養成分等を表示。
- 栄養成分表示(Nutrition Facts Panel):最新の2020年ルール準拠のフォーマット必須。
- 原材料表示(Ingredients Statement):重量順、一般名使用、添加物は機能明記。
- アレルゲン表示(Allergen Declaration):牛乳・卵・小麦・大豆・落花生・木の実・魚・甲殻類・ゴマ(2023年追加)を強調。
即リジェクト!注意すべきNG表記事例集
以下は実際に輸入差し止め事例が多い、代表的なNG表記です。
- 健康強調表示の違反:
- 例)「砂糖不使用」→ 実際に果汁由来の糖分を含む場合(「Added Sugar」表示と矛盾)。
- 例)「低脂肪」→ FDAの定義(3g以下/基準量)を満たさない製品での使用。
- アレルゲン表示の不備:
- 例)「大豆レシチン」と表示せず、単に「レシチン」と記載(一般名不使用)。
- 例)コンタミネーション可能性があるのに「同一ラインで小麦製品を製造」の注意書きなし。
- 栄養成分表示の誤り:
- 例)サービングサイズの設定がFDA基準(RACC)と異なる。
- 例)「トランス脂肪酸0g」但し、水素添加油脂が原材料にある(表示不可)。
- その他の禁止表現:
- 例)「医薬品的効果」をほのめかす表示(「風邪予防に」等)。
- 例)内容量の目立たない表示(規定の最低文字サイズ未満)。
輸出成功の鍵!FDAラベル対応の実践手順とチェックリスト
規制を理解したら、実際のFDA食品ラベル作成・確認の流れを押さえましょう。輸出前の最終チェックが重要です。
FDA対応ラベル作成の5ステップ
- 商品分類の確認:FDAの定義(通常食品、サプリメント、乳児用等)で表示義務が異なる。
- 原材料リストの精査:全ての成分の一般名・添加物機能をFDAデータベースで確認。
- 栄養成分分析の実施:米国認定ラボでの分析が確実(自社データのみはリスクあり)。
- ラベル原案の作成:PDP/IPのレイアウト、フォントサイズ、表示順序を規定通りに設計。
- 法令適合性レビュー:社内または専門家によるFDA 21 CFR Part 101 完全準拠チェック。
輸出前の最終確認!FDAラベルチェックリスト
船積み前に必ず以下の項目を確認しましょう。
チェック項目 | 必須/推奨 | 確認ポイント |
---|---|---|
商品名・内容量(PDP) | 必須 | 誇大表示なし、米国単位併記、規定サイズ |
栄養成分表示 | 必須 | 2020年様式、サービングサイズ正しい、%DV表示 |
原材料表示 | 必須 | 重量順、一般名、添加物の機能明記(例:増粘剤) |
アレルゲン表示 | 必須 | 主要9品目を「Contains:」で強調、コンタミ警告 |
製造者情報 | 必須 | 名称・住所(米国エージェント含む) |
ネット重量 | 必須 | PDP下部、規定表示(例:Net Wt 1.5oz (42g)) |
賞味期限 | 推奨 | 「Best Before」ではなく「Use By」または「Best if Used By」 |
英語表記 | 必須 | 全ての情報が英語(原産国表示除く) |
※FSVP輸入者プログラムの下では、輸入者(米国エージェント)もこのラベルの適正性を確認する義務があります。
まとめ:FDAラベル対応で安全な米国輸出を実現しよう
米国に食品を輸出する上で、FDA食品ラベル規制への対応は避けて通れません。本記事では、必須表示項目(栄養成分表示、原材料、アレルゲン等)の基本から、輸入差し止めの直接的原因となるNG表記の具体例、そして実践的な作成手順と最終チェックリストまでをご紹介しました。食品ラベル規制は頻繁に更新されるため(例:ゴマのアレルゲン追加)、常に最新情報をキャッチアップすることが成功の鍵です。
特に初めての輸出や、複雑な原材料を使用する製品の場合、専門家のアドバイスを得ることで、想定外のリスクやコストを大幅に削減できます。弊社では、FSVPの認定資格を持つ米国輸出の専門家が、お客様の商品に特化したFDA食品ラベルのレビューや規制適合アドバイスを提供しています。
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