米国農務省(USDA)動植物検疫局(APHIS)は2026年9月24日、連邦官報(Federal Register)において、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生に関連する家きん・卵製品等の輸入要件を改正する規則案(Proposed Rule)を公表しました。日本では近年複数の県でHPAIの発生が確認されており、該当県産の家きん・卵製品は現在APHISの輸入停止措置の対象となっています。今回の規則案は、この輸入停止措置の解除に関わる「無発生確認期間」の見直しを内容とするもので、将来的に日本の該当地域からの輸出再開の時期に影響する可能性があります。
今回の発表内容
APHISは、生きた鳥類、家きん肉・部位・製品、卵(孵化用卵を除く)等について、HPAIへの暴露または検疫対象施設に由来する場合に輸出前に求められる「無発生期間」を、現行の90日間から28日間に短縮する内容の規則案を提案しました(Docket No. APHIS-2023-0069、91 FR 60521)。根拠となる規定は9 CFR Part 93(鳥類・家きん)および9 CFR Part 94(口蹄疫・ニューカッスル病・HPAI等)です。この改正案に対するパブリックコメント募集期間は2026年11月23日までとなっています。
制度・規則の説明
今回APHISが公表した文書はあくまで「Proposed Rule(規則案)」であり、現時点で法的拘束力を持つ確定規則ではありません。パブリックコメント期間を経てAPHISが内容を検討したうえで、最終規則(Final Rule)として発効するかどうか、また発効日・遵守期限がいつになるかが決まります。したがって、現時点で家きん・卵製品の対米輸出条件が変更されたわけではない点に注意が必要です。
主な変更点
規則案の主な内容は、HPAI発生後に求められる「輸出前の無発生期間」を90日間から28日間へ短縮する点です。APHISは、世界動物保健機関(WOAH)が2021年にHPAIの潜伏期間に関する新たな科学的知見(従来の21日間から14日間へ短縮)を踏まえて陸生動物衛生規約を改定したことを根拠として挙げています。なお、カナダとの間ではすでに2022年から二国間で28日間基準が運用されており、今回の規則案はこの基準を全ての貿易相手国・地域に拡大する内容です。
日本企業への影響
現時点でこの規則案は確定しておらず、日本から米国への家きん・卵製品輸出に関する実際の輸入要件が直ちに変更されたわけではありません。ただし、最終規則として発効した場合、過去にHPAI発生を理由に輸入停止となった日本国内の県・地域について、無発生確認から米国向け輸出再開までに必要な期間が大幅に短縮される可能性があります。家きん肉・卵製品を米国向けに輸出している、または輸出を検討している事業者にとっては、今後の規則確定状況を注視する価値があります。
今後確認すべきポイント
パブリックコメント期間(2026年11月23日締切)後にAPHISが最終規則を公表するかどうか、公表される場合の発効日・遵守期限、そして自社の生産地域がAPHISの現行輸入停止対象リストに含まれているかどうかを確認しておくことが実務上重要です。


