FDAは2026年8月11日、「Ready-to-Eat(そのまま喫食可能な)カット野菜・果物」の製造・加工事業者向けに、生物学的ハザード(病原微生物汚染)対策に関する最終ガイダンス「Guide to Minimize Biological Hazards in Ready-to-Eat Fresh-Cut Produce」を公表しました。翌8月12日付で連邦官報にも掲載されています。
今回の発表内容
対象となる「Fresh-Cut Produce」とは、カットレタス、カットメロン、みじん切りタマネギ、千切りニンジンなど、丸ごとの果物・野菜を切断・皮むき・細断などの物理的加工にとどめ(加熱・冷凍等の追加処理は行わず)、生鮮のまま流通させる製品を指します。今回のガイダンスは2008年版ガイダンスを全面的に置き換えるもので、2018年のドラフト版に寄せられた業界コメントを反映した最終版です。
制度の説明
本ガイダンスはFDAの「Preventive Controls for Human Food」規則(予防的管理規則、21 CFR Part 117)の遵守を支援するための文書であり、それ自体に法的拘束力はありません。Guidance(ガイダンス)であり、Rule(規則)ではない点に留意が必要です。同規則は、米国内で人の食用に供する食品を製造・加工・包装・保管する施設(外国施設を含む)に対し、危害分析と予防的管理措置の実施を義務付けています。
主な変更点
今回のガイダンスでは、カット野菜・果物には加熱殺菌等の「キルステップ」が存在しないことを前提に、生産段階の水管理、施設内の環境モニタリング、器具の洗浄・殺菌など、サプライチェーン全体を通じた汚染防止の考え方が整理されています。
日本企業への影響
Preventive Controls for Human Food規則は外国施設にも適用されるため、米国向けにカット野菜・果物を輸出・供給する日本の施設、またはその製品を輸入するFSVP Importerは、今回のガイダンスが示す整理を、自社のハザード分析・予防的管理計画を見直す際の参考にすることができます。ただし、ガイダンス自体が新たな法的義務を課すものではありません。
今後確認すべきポイント
該当する製品を取り扱う事業者は、自社または委託先施設の食品安全計画がガイダンスの内容と整合しているか確認するとともに、FSVP Importerは輸入先施設の管理状況を改めて把握しておくことが望まれます。


