FDAは、国際郵便(international mail)で米国に届く食品について、Prior Notice(食品の事前通知)提出時に郵便追跡番号の記載を義務付ける規則の適用を、2026年10月1日から開始します。この規則自体は2025年9月25日付でFinal Ruleとして確定済みですが、実務上の適用開始日まで10日程度に迫っているため、内容をあらためて確認します。
今回の発表内容
FDAは2026年9月21日付でFederal Registerに、Prior Notice関連の情報収集(OMB統制番号0910-0520)に関する定期更新(Information Collection Activities)の公示を行いました。この公示自体は既存の情報収集手続きの定期更新(意見募集)であり、新たな義務を課すものではありません。ただし、この中で、国際郵便で届く食品へのPrior Notice追跡番号要件の適用開始日が2026年10月1日であることが改めて明記されています。
制度・規則の説明
Prior Noticeは、食品を米国へ輸入する際、到着前にFDAへ事前通知を行う制度です。2025年9月25日付のFinal Rule(2025年10月27日発効)により、Prior Noticeの規定(21 CFR Part 1 Subpart I)が改正され、国際郵便で届く食品については、記載事項に「郵便事業者名」と「追跡番号」が追加されました。あわせて、Prior Noticeが却下(refusal)された場合の再提出期限(却下通知日またはFDAの見直し回答日から10暦日以内)、保留(hold)となった場合の食品施設登録提出期限(保留通知日またはFDAの見直し回答日から30暦日以内)も新設されています。
主な変更点
郵便追跡番号の記載義務は2026年10月1日から適用されます。この点はFinal Ruleの中でも、システム対応や実務準備のための移行期間として約1年間が設けられており、まだ義務化されていませんでした。一方、却下後の再提出期限(10暦日)や保留後の食品施設登録提出期限(30暦日)は、すでに2025年10月27日から運用されています。
日本企業への影響
通常のコンテナ・航空貨物による米国向け食品輸出では、Prior Noticeの提出はUS Agentや通関ブローカー等の輸入者側で行われることが一般的であり、この場合、追跡番号要件への対応は輸入者側の実務です。一方、日本の食品事業者がEMSや国際宅配便を利用し、米国の消費者やバイヤーへ商品を直接発送している場合(越境EC等)は、発送者自身がPrior Notice提出プロセスに関与するケースがあります。この場合、2026年10月1日以降、追跡番号の記載漏れがあるとPrior Noticeの不備として扱われるリスクがあります。
今後確認すべきポイント
国際郵便で米国向けに食品を発送している事業者は、自社のPrior Notice提出フロー(自社対応か、ブローカー・代行業者への委託か)を確認し、2026年10月1日以降、追跡番号を確実に記載できる体制になっているかを点検することが望まれます。通常の海上・航空貨物のみで取引しており、Prior Noticeの提出を輸入者・ブローカーに委ねている事業者への直接的な対応義務はありません。


