FDA、食品輸入業者にFSVP違反で警告書|乾燥キノコのリコール後の是正記録未提出も指摘

◷ 2026.08.27 FDA
一言でいうと AI要約
  • FDAが食品輸入業者Union Trade Inc.に対し、FSVP(外国供給者検証プログラム)未策定などを理由に警告書を発出した(2026年8月27日付)。
  • 個別事業者への法執行措置(Warning Letter)であり、新たな規則やFSVP制度自体の変更ではないが、FSVP執行における典型的な違反パターンを示す事例。
  • 直接の輸入要件変更はないが、日本から食品を輸出する企業は、米国側FSVP Importerがハザード分析・サプライヤー検証・是正記録を適切に文書化しているか確認しておくことが望ましい。

FDA(米国食品医薬品局)は2026年8月27日付で、カリフォルニア州の食品輸入業者Union Trade Inc.に対し、FSVP(Foreign Supplier Verification Program:外国供給者検証プログラム)義務違反を理由とする警告書(Warning Letter)を発出しました。今回の措置は同社という個別事業者に対する法執行であり、FSVP制度そのものが変更されたわけではありませんが、FDAが輸入者のどのような点を重点的に確認しているかを示す実例であり、米国向けに食品を輸出する日本企業にとっても参考になる内容です。

今回の発表内容

警告書は、FDAが2026年4月6日・7日に実施した記録確認等(inspection)の結果に基づくものです。同社は生の大根(crisp radish)、殻付きピーナッツ、亜熱帯・熱帯果実、乾燥キノコなどを輸入していましたが、FDAはこれらの食品についてFSVPを策定していなかったと指摘しました。特に乾燥キノコについては、未申告の亜硫酸塩(sulfites)混入によりクラス2のリコールが2件発生していたにもかかわらず、是正措置を実施したことを示す記録が提出されなかった点が問題視されています。

FSVPとは

FSVPは、米国に食品を輸入する事業者(FSVP Importer)に対し、外国の供給者が米国の食品安全基準を満たす方法で食品を生産していることを検証するリスクベースの活動を義務付ける制度で、21 CFR Part 1 Subpart Lに規定されています。FSVP Importerは、輸入する食品ごとにハザード分析を実施し、そのハザードに応じたサプライヤー検証活動(監査、サンプリング・試験、供給者の食品安全記録の確認等)を実施・文書化する義務を負います。今回の警告書はガイダンスではなく、既存の連邦規則(21 CFR Part 1)違反を指摘する法執行文書である点に注意が必要です。

指摘された主な違反点

警告書では、以下の4点が具体的に指摘されました。

  1. FSVP未策定(21 CFR 1.502(a)):大根、ピーナッツ、亜熱帯・熱帯果実について、FSVPそのものが策定されていなかった。
  2. 是正措置の未文書化(21 CFR 1.508(a)):乾燥キノコのリコール後、是正措置を講じたとする記録が提出されなかった。
  3. ハザード分析の未実施(21 CFR 1.504(a)・(d)):各食品についてハザード分析を実施しておらず、他者が実施したハザード分析を確認・文書化した記録もなかった。
  4. サプライヤー検証活動の不備(21 CFR 1.506(b)・(d)・(e)):適切なサプライヤー検証活動の決定・実施に関する書面手順や記録が整備されていなかった。警告書は、供給者から提出されたHACCP System Certificateのような証明書のみでは、ハザード評価に基づく承認の裏付けとして不十分である旨も述べています。

FDAは同社に対し、15営業日以内に是正内容を記載した回答を提出するよう求めています。

日本企業への影響

今回の措置によって、日本から米国への食品輸入要件が直接変更されたわけではありません。ただし、FSVPの実施義務を負うのは米国側のFSVP Importerであっても、その実効性は輸出者である日本企業から提供される情報(原材料、製造工程、自社の食品安全管理の状況等)に大きく依存します。今回のケースは、(1)各原料についてFSVPが個別に策定されているか、(2)リコール等の問題が生じた際に是正措置の記録が適切に保存されているか、(3)供給者証明書だけでなく、ハザード評価に基づく検証が行われているか、という点をFDAが重点的に確認していることを示しています。日本の食品メーカー・輸出事業者は、取引先の米国Importer(FSVP Importer)がこれらの点をどこまで文書化・実施できているかを、契約前後を通じて確認しておくことが望ましいでしょう。

今後確認すべきポイント

  • 自社が輸出する食品が、米国側FSVP ImporterのFSVPにどのような形で組み込まれているか
  • リコールや品質問題が発生した場合の是正措置記録が、日本側・米国側双方で整合的に保存されているか
  • 供給者証明書(HACCP認証等)のみに依拠せず、ハザード評価に基づく検証プロセスが構築されているか

関連する解説記事

▤ 出典

U.S. Food and Drug Administration (FDA)

Warning Letter: Union Trade Inc. (729071, 08/27/2026) (2026年8月27日公表)

FDA一次情報を確認する ↗

米国輸出に関する無料相談受付中!

FDA登録・FSVP・米国向け食品表示から、輸入・販売まで。
「自社の商品は輸出できる?」「何から準備すればいい?」といった段階から、VIAWORKSの専門スタッフがご相談を承ります。

News Information
発表機関
U.S. Food and Drug Administration (FDA)
発表日
2026年8月27日
(米国時間)
重要度
!  MEDIUM
関連分野
FSVP リコール
一次情報を確認する ↗

Warning Letter: Union Trade Inc. (729071, 08/27/2026)
(外部サイトに移動します)

REGULATORY ALERT

米国食品規制の最新情報を日本語で解説

FDA・USDA・CBPなどの重要なアップデートをお届けします。

アラートを受け取る

アメリカへの食品輸出で
お困りですか?

規制対応・ラベル・輸入手続きまで、 VIAWORKSが米国進出をサポートします。

✉ 無料で相談する →
↗ この記事をシェア
URLをコピーしました

新着記事

FOR SMALL START

小規模からの
米国進出を応援しています。

VIAWORKSでは、1SKUから米国販売を始めたい事業者様からのご相談も歓迎しています。

小ロット・テスト販売からでも
お気軽にご相談ください。

ご相談はこちら

米国への食品輸出で
お困りの方へ

FDA・FSVP・食品ラベルなど、
米国食品輸出の実務を
サポートしています。

無料相談はこちら