FDAは2026年8月11日、食品への使用が認められている「GRAS(Generally Recognized As Safe:一般に安全と認められる)」物質について、事業者からFDAへの届出を義務化する規則案(Docket No. FDA-2025-N-3262)を公表しました。意見募集期限は2026年12月9日です。
今回の発表内容
現行制度では、食品添加物の中でも安全性が十分確立されているとFDAが判断する物質(GRAS物質)については、事業者が自らの科学的判断で「GRAS」と結論づけ、FDAへの届出(GRAS Notification)を行うかどうかは任意とされてきました(いわゆる「自己認定GRAS:Self-Affirmed GRAS」)。今回の規則案は、この任意の届出制度を義務化し、新たにGRAS物質を米国の食品流通に導入する事業者に対し、科学的根拠を添えた正式な届出をFDAに提出することを求めるものです。すでに流通している物質については、時限的に簡易な届出で済む経過措置も設けられています。
制度の説明
1998年の届出制度開始以降、これまでに提出されたGRAS届出は1,200件超にのぼり、うち617件は外国企業からの届出とされています。今回の規則案が最終化されれば、義務化以降に米国市場へ新たに導入されるGRAS物質について、FDAの事前審査を経ないまま販売することが困難になります。
日本企業への影響
日本の食品メーカーが独自成分・添加物を米国向け製品に使用する場合、または現地パートナーが自己認定GRASに基づき使用している成分がある場合、今回の義務化により、当該成分について正式な届出・科学的データの提出が必要になる可能性があります。特に新規成分を米国市場に投入する計画がある企業は、スケジュールへの影響を検討する必要があります。
今後確認すべきポイント
自社製品で使用している添加物・成分が自己認定GRASに基づくものかどうかを確認するとともに、規則の最終化状況(意見募集期間は2026年12月9日まで)を注視することが望まれます。


