FDAは2026年2月19日、食品トレーサビリティ規則(Food Traceability Rule、FSMA第204条に基づく規則)の実施に関連して、複数の措置を公表しました。Q&A形式のガイダンス文書の発行と、特定品目に対する記録保持義務の一部適用除外が含まれます。
今回の発表内容
公表されたQ&Aガイダンス(Docket No. FDA-2025-D-2837)は、農場・ファーマーズマーケット・漁船・小売店・レストランへの適用範囲、社内間の出荷、混合、初期梱包、加工(Transformation)の該当性、生鮮二枚貝の適用除外、「Fresh-Cut」品目の判定基準など、事業者からの実務上の疑問に回答する内容です。また、IMS(Interstate Milk Shippers)リストに掲載されたGrade Aカッテージチーズについて、Food Traceability List(FTL:対象品目リスト)に基づく強化記録保持義務の一部が適用除外とされました(Pasteurized Milk Ordinanceに基づく既存の衛生管理で同等のリスク対応がなされているとの判断)。ただし、直前の仕入元・直後の出荷先を特定する記録の保持義務は引き続き課されます。
制度の説明
Q&Aガイダンスは法的拘束力を持たない「FDAの現時点の考え方」を示す文書であり、カッテージチーズの適用除外は個別品目に対する確定的な措置です。なお、規則全体の遵守期限については、2025年8月にFDAから2028年7月20日への延期が提案され、同年11月の歳出関連法(Continuing Appropriations, Agriculture, Legislative Branch, Military Construction and Veterans Affairs, and Extensions Act of 2026)により、FDAは同日より前は本規則を執行しない方針が示されています。ただし本稿執筆時点で、延期を正式に確定する規則改正そのものは完了していません。
日本企業への影響
Food Traceability Listには、特定の魚介類(生食用として重要度の高い品目を含む)、チーズ、葉物野菜、メロン類等が含まれており、該当品目を米国向けに輸出する日本企業は、将来的な記録保持義務(ロット単位の追跡情報等)への対応を見据えておく必要があります。ただし、上記の通り実際の執行は当面猶予される見込みです。
今後確認すべきポイント
自社取扱品目がFood Traceability Listに該当するか確認するとともに、Q&Aガイダンスの内容を踏まえ、将来の義務化に備えた記録保持体制の準備状況を確認しておくとよいでしょう。


